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| VOL.99 | |||||
| 2002年夏、朝日新聞社Kさんのご依頼で「世界100都市」にエッセイを書かせていただきました。 ここに掲載したのは、文字数が多すぎてそのとき使われなかった原稿です。アンティークフェア名物の ホットサンドやホットチョコレートの生な情報をお楽しみください。 |
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| 競馬とアンティークの不思議な関係 | |||||
| インターネットや地図でアンティーク・フェアの開催地を探していると、競馬場の ネットワークとアンティーク・フェアのネットワークがぴったり重なることに気がつ きます。イギリスでは「紳士の社交場」といわれている競馬場で骨董市が開催される ことが多いのです。 今回私が訪れたのは、ケンプトンで定期的に開かれているマーケット。大体、隔週 の火曜日に開かれ、入場は無料で誰でも入れます。大きな競馬場の、レースコース以 外の場所を使ってたくさんのストールが立ち並び、ここに来て買えないアンティーク はないと言い切っていいくらいのお店の数です。 ここは、正確にはケンプトン・パーク・レースコース(Kempton Park Racecource)といいます。ケンプトンのフェアへ行くには、ウォーター ルー駅からシェパートン行の列車に乗ってサンベリー駅で下車。列車に乗っている時 間は50分程度。列車を降りると、ロンドンを離れて郊外にやって来たという感じが します。 サンベリー駅からケンプトンパークまでは歩いていくことになります。駅の回りは 閑静な住宅街なので、何もなくてちょっと不安になりますが、勇気を出して持ってい る地図の通りにずんずん進んで行きます。15分も歩くと、前方左手に大きな競馬場 が見えてきます。駐車場の裏側には小さな鉄道の駅があって、レースのあるときには 列車も止まるそうです。 道すがら、イギリス人にとってのアンティークってなんだろう?なんて考えてみる のですが… これから行くケンプトンでのこと。 ごちゃごちゃといろいろなものが山積みになっている箱の中に、お気に入りのアン ティークのティーセットがあるのを見つけました。ミルクピッチャー、シュガーボウ ル、ポットの他にカップ&ソーサーが6ピースずつあるはずなのですが、カップがど こを探しても1つ足りません。私は「しめた!」と思って、 「おじさん、このセット、カップが1つ足りないから安くしてよ」そう言ってみると、 おじさんは「ちょっと待って」と言って、たったいま自分が飲んでいたミルクティー を地面に捨て、カップを新聞紙で拭いてティーセットの中に加えてくれました。私は ちょっと呆然。 もちろん、アンティークの本場イギリスには高級なアンティークを扱うBADAと かLAPADA等に加盟しているお店もたくさんあって、美術品に分類されるような ものも数多くあります。でも大部分の一般のイギリス人にとってのアンティークって このティーカップのようなもの。このおじさんだけが特別なわけではありません。 イギリス人にとっての「アンティーク」は、とても身近で普通なもの。それがアン ティークかどうかなんて特別に意識はしないけれど、時代も世代も越えて大切に使わ れ続けていく。 イギリスで古いものが大切にされているのは、決してそれが「古い」からではなく て、よいものだから、好きなものだから大切に使われつづけているというのが本当だ と思います。そんな中で、壊れずに長く使われ続けてきたものだけが、ビンテージと なり、やがてアンティークとなっていくのしょう。 さて、ここで買えないものはないと書きましたが、ラインナップはいわゆる骨董品、 アンティークについての本、家具、銀製品、コレクターズアイテム、ヴィクトリアン、 ジュエリー等々。何か探しているものがあれば、丹念にさがすときっと見つかるでし ょう。アンティークの本などはイギリスに行っても普通の書店で手に入るものではな いので、ここで買っていくのがベター。 ケンプトンに限りませんが、競馬場で開催されるアンティーク・フェアの名物はT oasted Sandwichesのホットサンド。1つ£2.50。私のおスス メはハム&チーズです。一緒に頼む飲み物はどれも£1程度で、ホットチョコレート がイチオシ。上のほうは薄くて、下の方はどろどろしているので必ずよく混ぜてから 飲むのがコツです。サンドイッチを食べ終わった頃に抽出が完了するフィルターコー ヒーはあまりおススメできません。 アンティーク・フェアを訪れる人々のうち、夜明けと共にやってくるのは、イギリ ス人も日本人もアンティークディーラーの方々です。朝早いうちに行くと、ロンドン でよく行くアンティークショップオーナーのおじいちゃんに会ったりします。午前1 0時頃にはディーラー達はいなくなり、代りに観光客で賑わい始めます。そうなると、 内緒ですが、値段も少し高くなったりするので私達は早々に退散です。 |
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