VOL.28

ジェシーはご機嫌ななめ? ミッドウィンター
 
 2002年は、1月11日(金)〜13日(日)まで、東京ビッグサイトで行な
 われていた第7回骨董ジャンボリーで始まりました。
 「アンティークショップ METALUNA」は、開店してからまだ半年しか経っ
 ていませんが、幸運なことに今回骨董ジャンボリーに出店することができました。

 相変わらず、いつ行っても「カメラのムサシヤ」さんは黒山の人だかりです。ア
 ルフィーの坂崎さんは、本まで出版するほどの骨董好きで有名ですが、骨董ジャ
 ンボリーの会期中の3日間、皆勤賞なのにはびっくりしました。しかも、毎日私
 達より早く会場入りしていました。

 私のお店「アンティークショップ METALUNA」は、会場のかなり奥の方
 のU−14bというブースに設定されていました。初めての出店の割りには、そ
 れほどひどい場所ではなかったのでひと安心です。

 「アンティークショップ METALUNA」のテーマは、アンティークス&
 ミッドセンチュリーです。そしてコンセプトは、「英国の使えるアンティーク」。
 アンティークをあまりよく知らない人は、アンティークというのは「=飾り物・
 置き物」だと思っていることが多いようです。ですから、「比較的大きな、飾り
 物・置き物のアンティーク」より実際に手軽に使うことができる小さな道具類が、
 意外に高価な事に驚くようです。


 さて、私のお店のメインとなる商品はミッドウィンターの陶器類です。
 ミッドウィンターは、陶器の町として栄えたイギリスのストークオントレントで、
 1910年に始まった陶器会社で、骨董・アンティークの世界では、ほとんど知
 られていません。

 というのも、ミッドウィンターという会社が製陶の歴史の中に登場するのは20
 世紀初頭の結構早い時期なのですが、1953年にロイ・ミッドウィンターがプ
 ロデュースする「スタイルクラフト」が登場するまでは、ほとんど無名の会社だ
 ったからなのです。そして、現在アンティークフェアなどで売られているミッド
 ウィンターの陶器は、ほとんどがこの1953年以降のものです。

 1953年といえば、まだ50年ほどしか経っていませんから、法律上、正式に
 はアンティークと呼ぶことはできません。ですから、骨董・アンティークの世界
 では、知られていないというのも当たり前といえば当たり前です。

 今回の骨董ジャンボリー向けの 商品構成は、そのミッドウィンターが商品全体
 の3分の2ほどで、あとは少し古い時代のスージークーパーや、1900年〜
 1950年位の間に作られたガラス製品、テーブルウェア、小物雑貨類などでし
 た。

 この中で、イチオシのものはもちろんミッドウィンター。
 ミッドウィンター社には、有名・無名を含めて、多くのデザイナーがいましたが、
 私が持っているものはほとんど、4人のデザイナーのものに限られています。
 その4人というのは、ヒュー・カッソン、ジョン・ラッセル、テレンス・コンラ
 ン、ジェシー・テイトのこと。

 ヒューカッソンの代表作は、カンヌ、リビエラといった避暑地の風景を描いたも
 の。ジョン・ラッセルは、植物をデザインした作品が有名です。テレンスコンラ
 ンは、彼のデザインしたプラントライフ、サラダウェア、乗り物のシリーズなど
 よりも、おそらくデザイナーとしての彼自身の方が有名でしょう。本国のイギリ
 スだけでなく、日本でもコンランショップのオーナーとして知られています。

 もう一人、ミッドウィンターの代表的なデザイナーにジェシー・テイトがいます。
 ミッドウィンターのデザイナーの中で、私がもっとも好きな一人です。彼女がテ
 レンスコンランや他のデザイナーほど世に知られていないのは、ミッドウィンタ
 ー社の専属デザイナー、つまり社員だったからだと思われます。

 日本でもっともよく知られているミッドウィンターのデザインに、Red Domino
 がありますが、これもジェシー・テイトがデザインしたものです。Red Domino
 以外に彼女がデザインしたものは、たくさんあって、私が好きなものはどちらか
 というとRed Domino以外のもので、1960年代の早い時期までのデザインです。
 カレッジでの教育の成果もあってか、ジェシーテイトのデザインには独創性が溢
 れています。

 ジェシー・テイトは1928年3月6日の生まれで、3人兄妹の末っ子でした。
 13歳の頃から、ジェシーテイトが通っていたカレッジは Gordon Forsythによ
 って運営されていました。Gordon Forsythは、Grays Potteryにいる間、まだ
 若かったスージークーパーを雇っていた人物でもあります。

 スージークーパーは、アガサクリスティの小説にでも出て来そうな、少しミステ
 リアスな雰囲気を持っていましたが、ジェシーテイトは、昔のアメリカのホーム
 ドラマが似合いそうな健康そうな美しい女性です。今、生きていられるかどうか
 はわからないのですが、昭和3年の生まれですから、まだ74歳。イギリスに行
 ったときにでもお会いしてみたい気がします。でも問題は私の英会話能力…

 ジェシー・テイトについて語りたいことは、まだほんの序の口なのですが、今回
 はこの辺でやめておきます。ジェシー・テイトの作品に興味をもたれた方は、ぜ
 ひ『アンティークモール銀座』の6階にあるアンティークショップ METALU
 NAへ遊びに来て下さい。彼女の代表作のいくつかは、いつでも売っています。