VOL.26

妖し気なみどり色 ウランガラス

  「ウランガラス」という名前の美しいガラスがあります。
  ウランガラスは、太陽光などの可視光線を浴びているときには、ライムジュー
  スのようなグリーンや、ラムネの瓶のように涼し気な青いガラスなのですが、
  ブラックライトなどの紫外線を照射すると、妖しげなみどり色の光りを放ちは
  じめます。


  骨董市やアンティークフェアに行くと、いいものはケースの中に陳列されて、
  少し薄暗いところでブラックライトをあてられていたりします。先日、ガイガ
  ーカウンターなどを持ち込んで放射線量の測定などを試みている人を見かけま
  したが、無粋で間抜けに見えるのでやめておいた方が無難です。


  美しいものは美しいと思うだけでいい、と私は思っています。

 
  世界最古のウランガラスは、2000年前のイタリアのものだといわれていま
  す。ただしこれは、ガラスの中に偶然にウランが紛れ込んだものらしく、いわ
  ゆる「ウランガラス」として製造されるのは、19世紀に入ってからのことに
  なります。


  ウランというのは天然に存在する鉱石のひとつで、決してそれ自身が危険なも
  のではありません。人間の手によって濃縮されることによって初めて、危険な
  「人工」の放射線源となります。ウランガラスは、どんなものを混ぜ込んだら
  きれいな色のガラスができるのかということを追求したヨーロッパのガラス職
  人達の美の探究心から生み出されたものです。


  ブラックライトなどの紫外線を照射すると、妖しげなみどり色を発すると先に
  書きましたが、ウランガラスは、可視光線の反射光や透過光ではなく、紫外線
  をあてることによって自らみどり色の蛍光を発生させます。ブラックライトを
  照射されたウランガラスの写真などを見るとよく分かりますが、ガラスのカッ
  ト面やふちの辺りに光がたまって特に美しく輝いています。


  ウランガラスで作られたグラスや瓶、皿などはとても人気があるので骨董市な
  どでも高い値段がついていることが多いのですが、「ウランガラス」で作られ
  ているというだけで高い値段がつけられていることもあります。


  私自身が持っているウランガラスの場合は、綺麗なガラスを買ってきたらそれ
  がたまたま「ウランガラス」だったというのが100%です。ウランガラスを
  欲しいと思っている人には、私はあくまで「美しさ」を基準に選ぶことをお勧
  めします。


  日本人のウランガラスのコレクターとしては、あの「アルフィー」の坂崎幸之
  助さんが有名です。最近「和ガラスに抱かれて」という、ご自分のコレクショ
  ンを紹介する本を平凡社から出版しています。ウランガラスの写真もたくさん
  載っているので、興味のある方はご覧になってください。