VOL.22

ブルーな匂い アンティークの染めもの  
 
    [プルシアンブルー]

  1704年のドイツ(プロシア、プロイセン)で発明された染めの方法。
  動物の乾燥した血や皮、角、ひずめ、古いウール、灰等を長時間鍋の中で煮るこ
  とによって、黄色い結晶を得ることができるのですが、これを用いた染めをプル
  シアンブルーといいます。

  染めの工程の違いによって、サクソンブルー、ロイヤルブルー、ヴィクトリア
  ブルー、ナポレオンブルーなどと名付けらていました。

  動物の内臓などを煮る鍋は、ときどきかき回す必要があったのですが、鍋からは
  動物のタンパク質を焼くようなあのひどい悪臭だけでなく、その工程上「青酸ガ
  ス」が発生するので、職人達にとっては、まさに命がけの仕事といえました。

  こうしてできあがった、黄色というよりきれいなレモン色の結晶は「プルシエイ
  ト」といい、主に青酸カリと鉄分から成っていました。プルシエイトは、カーキ
  色に下染めした木綿につけると、酸化して鮮やかなプルシアンブルーとなります。

  プルシアンブルーは、アメリカに行くとラファイエットブルーという呼び名に変
  わっていきます。ラ=ファイエット(1757〜1834)というのは、フラン
  スの将軍、政治家で、アメリカ独立戦争に義勇兵として参戦し、のちに人権宣言
  の起草者となった人です。

  ラ=ファイエットがアメリカに招かれた時、着ていた軍服の色がロイヤルブルー
  で、来航記念として、以後プルシアンブルーをラファイエットブルーと呼ぶこと
  になったということです。

  歴史年表などを繙いてみると、ロイヤルブルーの軍服を着たラ=ファイエットの
  肖像を見る事ができます。



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    [ウォードブルーVSインディゴブルー]

  「藍」に染まる植物としては、インドのインディゴと、ヨーロッパのウォードと
  いうものがありました。ジーンズなどでお馴染みなのがインディゴブルーです。

  ウォードブルーというのは、ヨーロッパの大青(ウォード)というアブラナ科の
  藍草の葉から作られます。大青の葉を、木製の大きなローラーで馬にひかせて潰
  し、それに水を混ぜて発酵させますが、大青は、発酵させるときにひどい悪臭が
  したそうです。

  そのため、英国のエリザベス1世は、宮殿から8キロ以内には大青ひきの小屋を
  建ててはいけないというお触れを出したほどだそうです…という話しが伝わって
  いるほどのひどい匂いだったようなのですが、その「お触れ」を出したのが、エ
  リザベス女王だとすると、1世にしても2世にしても時代が合致しない気がする
  ので、もしかすると別の人物かもしれません。

  そうまでして作られたウォードブルーだったのですが、実は大青(ウォード)よ
  りもインディゴの方が布がよく染まったそうです、ヨーロッパの大青業者達は、
  「インディゴは有毒で(布が)腐ってしまう」などという「悪い噂」を流したり
  して抵抗を試みるのですが、結局、インディゴの染めの良さに負けてウォードブ
  ルーは次第に廃れていってしまいました。

  ウォードブルーとインディゴブルーで染めた当時の布を見てみると、インディゴ
  ブルーは「藍」で、ウォードブルーは「青」という感じがします。