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| VOL.11 | ||||
| アール・ヌーヴォー | ||||
| 今号は、20世紀末最後のアンティークMETALUNAになります。 世紀末といえば、やはりアールヌーヴォーに触れないわけにはいかないでしょう。アールヌーヴォーというのは、意外に長い時間に渡って展開された「様式」あるいは「運動」です。ですから、人によってその印象は様々なものがあるかと思います。 ドイツ : ユーゲントシュテイル フランス : スティルモデルヌ オーストリア: ゼツェシオン イタリア : スティーレリバティ スペイン : モデルニスタ 《そしてイギリスではアール・ヌーヴォー》 ティファニー、リバティ、ガレ、ドーム、ナンシー。 ピアズリーの「サロメ」の挿画やミュシャのポスター。 スペインに行ったことがある人なら、ガウディを思い出すかもしれません。 あのサグラダ・ファミリアは1882年に建立が始まっています。 アールヌーヴォーという「様式」が、いつ始まって、いつ終わったのかを明確に定義することは難しいのですが、いちおうの定義としては1880年頃から〜1920年頃と考えてください。アールヌーヴォーは、イギリスで始まった「アーツアンドクラフツ」運動の後裔で、世紀末にイギリスという島国から、大陸に向かって吹いた一陣の風ということができます。 アールヌーヴォーの製品というのは、それが作られた当時からとても高価だった様です。たとえば、あるティファニーのランプには1904年当時で、400ドルの値段が付いています。その製作にあたった職人の日当が3ドルだったので、ランプ1つの値段は、133日分の日当になります。これを年収600万円として、現在の日本の貨幣価値に換算してみると、325万円ということになります。換算の仕方によって、値段は前後すると思いますが、おおよその感じはつかめると思います。 ★ルネ・ラリック<1860年〜1945年> アールヌーヴォーの時代の次には、アールデコの時代がやってきます。 その両方の時代の先端を走る芸術家であったのが、ルネ・ラリックです。 いま、東京都庭園美術館では、ルネ・ラリック展を開催中ですが、そこではラリックのヌーヴォー時代の作品であるジュエリーと、デコの時代のガラス工芸品の両方を一度に見ることができます。 東京都庭園美術館が「旧朝香宮邸」であることは御存じかと思いますが、ラリック自身が、この宮邸の建築に深く関わっています。ラリックが手掛けた4枚のガラス扉に迎えられ、第2展示室と第3展示室では、ラリック社のシャンデリアの明かりの下で、ラリックの作品を鑑賞することができます。日本でラリックを鑑賞するのに、おそらくこれ以上の環境は望めないでしょう。 ★チャールズ・レニー・マッキントッシュ<1868年〜1928年> マッキントッシュは、アールヌーヴォー期を代表する建築家の一人です。 確かに初期の「幽霊派」時代のマッキントッシュのポスター等からは、アールヌーヴォーを多く感じることができます。しかし、その後のマッキントッシュの作品には、ラリックと同じように「様式」というものにこだわらない、自由な発想が感じられます。 21世紀の始まりの干支は「蛇」。蛇は、アールヌーヴォーの作家たちが好んで用いたモチーフの一つでもあります。 20世紀最後の年に、アンティークについてのメールマガジンを発刊でき、多くの読者の方に恵まれたことを感謝しています。来年もアンティークMETALUNAをよろしくお願い致します。 |
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