アンティークやヴィンテージに分類される「熊のぬいぐるみ」にはいくつかの 種類があります。イギリスの新聞に4コママンガとして登場した<ルパート>、<熊のプーさん>、ロンドンのパディントン駅で有名な<パディントンベア>、そして中国代表<パンダ>etc その中でも世界で最も有名な「熊のぬいぐるみ」と言ったら<テディベア>でしょう。
テディベアと言えばセオドア・ルーズベルト大統領の愛称から、その名が付けられたと言うのが定説です。また、最初にテディベアを考案したのは、アメリカのミュシュトム夫妻という説と、ドイツのシュタイフ社という説があります。
1902年、ルーズベルト大統領が州境を決めるためミシシッピーへ出かけていった時のこと。狩り好きの大統領をもてなすため、盛大に熊狩りが催されまた。残念ながら、その日、熊は1頭も現れませんでした。そこで、あらかじめ捕獲されていた熊が「どうぞ撃って下さい」ということで、大統領の前に差し出されました。ルーズベルト大統領は、もちろんその可哀想な熊を撃ったりはしませんでした。
お話の中では、そのかわいそうな熊は仔熊という事になっていますが、実際は「年老いた熊」か「病気の熊」かあるいは「仔熊」といわれています。そのうちどれなのかははっきり分かってはいません。
ワシントンポスト紙には、仔熊の絵が掲載されていますが、あれはあくまでも「クリフォードベリーマンの風刺画」。風刺画というからには、当時の世相、世論をもとにルーズベルト大統領を風刺したものである事をお忘れなく。
さて、この美談に目を付けたアメリカのミュシュトム夫妻が、早速、熊のぬいぐるみを作ってルーズベルト大統領に書簡とともに送り、彼の愛称である「テディ」という名前を使う許可を得て「テディベア」という名前で売り出したのが「テディベア」のはじまりというのが、ミュシュトム夫妻考案説です。
また同じころ、ドイツのシュタイフ社が考案した熊のぬいぐるみも、熊好きのルーズベルト大統領にちなんで、「テディのベア=テディベア」と呼ばれるよになり、こちらが始まりという説もあります。
W先生解説によると…「テディベアのレントゲン写真を見ると分かりますが、テディの身体内部には関節のようなものがあり、5箇所がきちんと動くようなっています。そして、そういう内部構造を持った熊のぬいぐるみだけが、テディベアという名前を冠されるのです。」
どちらの説が本当かというと…
「テディベア」というネーミングについては、ミュシュトム夫妻説がどうも本当のように思われます。ところが、考案したのは誰かということになると、W先生解説による、その複雑な構造などから考えあわせて「アイデアル社が作った熊」より「シュタイフ社考案」の方が信憑性があるように感じられます。つまりシュタイフ社が作り、ミュシュトム夫妻がコピーして名前をつけて売り出したというのが歴史の真実のようです。興味のある方は文献や実物にあたって探求されるのも一興かと思います。
「テディベアといえば、セオドア・ルーズベルト大統領の愛称から…」と最初に書きましたが、こういう話には異論がつきもの。特になんでも自分が一番でなければ気が済まないイギリス人(の一部)の間で信じられているのが、ヴィクトリア女王の息子エドワード王子の愛称の「テディ」説です。エドワード王子はもちろん、ルーズベルト大統領と同時代に存在していた人物で、愛称が「テディ」というのも本当です。この説の根拠はというと、残念ながら、この2つくらいしかなくイギリス人の方が少し分が悪いようです。
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